2009年新型インフルエンザの世界的流行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
H1N1/09パンデミック | |
---|---|
分類および外部参照情報 | |
MedlinePlus | 007421 |
eMedicine | article/1673658 |
MeSH | D053118 |
2009年新型インフルエンザの統計 | ||
---|---|---|
地域 | 死者 | |
全世界 (総計) | 14,286人 | |
欧州連合 EFTA |
2,290人 | |
他の欧州国 中央アジア |
457人 | |
地中海沿岸国 中東 |
1,450人 | |
アフリカ | 116人 | |
北米 | 3,642人 | |
中米 カリブ海地域 |
237人 | |
南米 | 3,190人 | |
北東アジア 南アジア |
2,294人 | |
東南アジア | 393人 | |
オーストラリア 太平洋諸島 |
217人 | |
出典: ECDC – 2010年1月18日[2] | ||
詳細は感染の状況(感染確認事例数)参照 | ||
注意:全死者数における各地域の死者数の割合は不明 | ||
2009年新型インフルエンザの世界的流行(2009ねんしんがたインフルエンザのせかいてきりゅうこう、Pandemic 2009H1N1)とは、2009年春頃から2010年3月頃にかけ、豚由来インフルエンザである A(H1N1)pdm09型インフルエンザウイルス の人への感染が、世界的に流行した事象である[3]。CDCによるインフルエンザ・パンデミック重度指数(PSI)においては、カテゴリー1に分類されるパンデミックである[4][5]。
発生源は豚の間で流行していた豚インフルエンザウイルスとされ、これが農場などで豚から人に直接感染し、それから新型ウイルスとして人の間で広まったとされている[6]。新型インフルエンザ、豚インフルエンザ(swine flu)、A型H1N1亜型インフルエンザ、H1N1インフル(H1N1 flu)、A/H1N1 pdm [7]とも呼ばれる(詳細は#呼称)。
この流行が大きな問題になったのは、流行初期にメキシコにおける感染死亡率が非常に高いと報道されたからであるが、実際には重症急性呼吸器症候群(SARS)のような高い死亡率は示してはいない[注 1]。当時の日本では、感染症予防法第6条第7項の「新型インフルエンザ等感染症」の一つに該当すると見なされ、感染者は強制入院の対象となったが、2009年6月19日に厚生労働省が方針を変更してからはこの扱いはなくなり、季節性インフルエンザとほぼ同様の扱いとなっている。
A(H1N1)pdm09型に対するインフルエンザワクチンは既に完成している。2010年 - 2011年冬シーズンから接種可能なインフルエンザワクチンは、通常の季節性インフルエンザワクチン2種に加えて、新型インフルエンザワクチンにも対応した3価ワクチンに、2015年 - 2016年冬シーズンからは、A型株2価とB型株2価の4価ワクチンになっている。
発生確認から収束まで
2009年4月、メキシコで3か所、米国では2か所において、いずれも局地的な発生が確認された。その後、メキシコのメキシコシティ、米国のテキサス州とカリフォルニア州の3か所にて確認された[9]。感染者は、いずれも20歳以下の青少年。
他にも感染が疑われるケースは1,000以上にも及び、これら全てを把握することは不可能に近かったため、WHOの緊急委員会は「すべての国が、通常とは異なるインフルエンザのような症状や深刻な肺炎に対する監視態勢を強化する」よう勧告した[10]。
2009年4月24日の段階では、メキシコで感染が疑われている例は大半が比較的若い年齢層で、小児や高齢者の感染確認例は無かった[11]。これらの患者からは、ヒト同士でも感染するA型インフルエンザウイルスのH1N1亜型が検出されている。
4月に入りWHOは、米国のアメリカ疾病予防管理センター(CDC)から7件の確定と9件の疑い例の報告を受理[12]。WHO の陳馮富珍事務局長は、4月25日の緊急委員会の会合に先立ち、感染が世界的流行(パンデミック)につながるかどうかについて「断定はできない」とした上で、「その可能性はある。人に感染しているからだ」と懸念も表明[13]。同会合(第1回会合)後の記者会見で、陳馮富珍事務局長は「報告のあった症例に関する臨床的特徴、疫学、ウイルス学及び適切な対応に関して、情報が不十分な点が多いことが分かった」としながらも、緊急委員会の助言に基づいてWHOの国際保健規則(IHR)が定める「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC) に該当する史上初の状況と決定したことを表明した[14]。その後、WHOの緊急委員会は4月27日の会合で世界的流行の警戒水準(下の節を参照)をフェーズ3からフェーズ4に引き上げることを決定[15]。さらに4月29日には、各国の専門家らによるWHOの電話会議でフェーズ5への引き上げを決定、陳馮富珍事務局長が記者会見で発表した。そして、その後も世界中で感染が拡大し続け、WHOは同年6月11日にフェーズ6を宣言するに至った。
利益相反の告発
2010年1月には、ドイツの副議長で、欧州評議会の保健委員会長のヴォルフガング・ワダルグが主張するには、大企業が、ワクチンを売るために「偽りのパンデミック」を宣言するよう、世界保健機関 (WHO) に圧力をかけるためのパニック・キャンペーンを画策してきた。政界最大の医学のスキャンダルの1つだと述べ、2009年5月にメキシコシティで始まったとされる「偽りのパンデミック」キャンペーンは、数百人程度の「通常」のインフルエンザ症例が報告され、これが新たなパンデミックの脅威だとされたが、その根拠は乏しかった[16]。
3月には、欧州評議会は、国際的な豚インフルエンザ・キャンペーンは製薬会社の影響を受けているとして調査を開始[17]。4月、WHOのインフルエンザの責任者であるケイジ・フクダは、パンデミック宣言を導いた体制が、H1N1についての混乱をもたらしたと述べ、その懸念を表明したがそれは、恐れるほどの致命性がないものだと判明したこの新しいウイルスに関する、不確実な部分について、情報伝達が失敗したということであり、陳馮富珍事務局長は、レビューを実施するために機関の外部の専門家を任命したことを伝えた[18]。
6月、BMJのフィオナ・ゴッドリー編集長は調査をもとにWHOを批判し、パンデミックに関するWHOの顧問に、抗ウイルス薬とワクチンを生産している製薬会社との間に金銭関係があるという調査があるとした[19]。陳馮富珍事務局長は以下のように応答し、製薬業界の影響を受けているという印象を残してしまうだろうが、パンデミック宣言の決定は定義された基準に基づいたもので、この基準をねじまげるのは難しい、と[18]。
症状と通院
2009年に発生した新型インフルエンザにおける現時点での症状を以下に示した。新たに発生し現在拡大している感染症であり、今後、症状が変化する可能性があるため、その点十分考慮する必要がある。
主な症状
症状[1- 1][1- 2][1- 3][1- 4][1- 5]は、タミフル投与のタイミング・本人の体力・侵入したウイルス量などで変わる[1- 6]ため、下記の全てが出現すると限らない。
例えば、始めから高熱が出るとは限らず37度前後の熱が1 - 2日続いた後に急に38度を超える場合もある。発熱が伴わないこともある[1- 7][1- 8]
重症 (小児:チェックリスト、大人:兆候(3項目目)) |
軽症 (通常の風邪と同程度) |
風邪 | |
---|---|---|---|
全般 | 基礎疾患の有無に関わらず、症状が長引いていて悪化・重症化 | 急激な重症化の危険性があるので、発症後48時間は目を離さないでほしい | 風邪の場合、せき、のどの痛み、鼻水で始まり、熱が出ても38度以下のことが多く、重症化することはあまりない[1- 9] 新型もまた、始めから高熱が出るとは限らず発熱が伴わないこともあるが、発症当日-48時間以内に重症化することが多い 風邪か新型か判断がつかない場合、新型は感染しやすく[1- 10][1- 11]、発症は1回だけとは限らない[1- 12][1- 13]ので、流行地域であれば新型感染を疑うべき |
熱 | 3日以上、発熱が続いている | 発熱[1- 14] | |
呼吸 | 呼吸困難(息切れ、呼吸が早い、息苦しそうにしている、肩で呼吸、全身で呼吸) | せき、鼻水、胸の痛み、のどの痛み | |
意識 | 意識障害(ぼんやり、反応が鈍い、視線があわない、呼びかけに答えない、幻覚) | 頭痛 | |
異常な言動(意味不明なことを言う、走り回る、落着きがない) | |||
眠ってばかり | |||
頭部 | 顔色が悪い(土気色、青白い、唇が紫色など) | ||
目が上を向く | |||
嘔吐が続く、頻繁に嘔吐 | 嘔吐(頻繁ではない) | ||
手足・全身 | けいれん(手足を突っ張る、がくがくする、落着きがない) | ||
元気がない、ぐったり、遊ばない | 倦怠感、筋肉痛 | ||
排泄 | 下痢が続く、頻繁に下痢 | 下痢(頻繁ではない) | |
半日以上おしっこがでていない | |||
通院 | 上記の1項目以上に該当する場合、すぐに受診・再受診・小児救急・119番 [1- 15][1- 16][1- 17][1- 18] |
症状が出たら、早めの受診を[1- 19] (5歳以下:24時間以内、5歳以上:48時間以内) |
医療機関の受診
- 軽症の場合(通常の風邪と同程度) - 感染が疑われる場合は早期受診を(日本感染症学会[1- 20]、感染研)[1- 1][1- 6][1- 21][1- 22][1- 23][1- 24][1- 25][1- 26][1- 27][1- 28][6- 1][6- 2]
- 発症後48時間 - 急激な重症化の危険性があるので、発症後48時間は目を離さないでほしい
- 基礎疾患の有無に関わらず、重症化の兆候が認められる場合は、すぐに119番などできる限り早急に医療機関を受診し抗ウイルス薬投与を
- 17歳以下・65歳以上・高リスク者、特に2歳以下の小児の様子を注意深く観察し、早めの受診を心がけてほしい[1- 19]
- タミフルの処方の有無を問わず、急激に重症化したり飛び降りる場合もあるので、一人にならないよう配慮し、目を離さないでほしい[1- 29][1- 30][1- 31]。
- 異常行動の6割は眠りから覚めた直後[20]であり、睡眠中に呼吸停止する場合もあるので、睡眠中も目を離すべきでない
- 重症児は、経験豊かな小児科医がいて設備も整っている病院へ[2- 1][2- 2]
- 重症の場合 - すぐに、119番。救急隊到着までの数分間(3 - 6分)に心肺蘇生が必要になる可能性も
案内 (予防と受診) |
急な発熱からタミフルなど投薬までの目標時間 | 重症 (呼吸困難・ 異常に早い呼吸・ けいれん・ 意識障害など) |
軽症 (急な38度以上の熱・ せき・ のどの痛みなど 通常の風邪と同程度[1- 1]) |
症状がない | |
---|---|---|---|---|---|
妊娠中の女性 | 学会1 学会2 |
5歳以下: 24時間以内[6- 3] 5歳以上: 48時間以内 |
小児: すぐに小児救急電話相談(#8000番)に電話するか、救急車を呼ぶ。119番の際は、必ずインフルエンザの症状があると伝える。チェックリスト参照。
|
■かかりつけ医がある場合 必ず、受診前にかかりつけ医に電話し、持病の病名を告げ、指示を確認。あらかじめ医師が許可した場合は、かかりつけ医への電話で抗インフルエンザ治療薬と慢性疾患治療薬のファックス処方が可能(右欄参照[2- 3][2- 4][2- 5]) ■近くの一般病院受診を指示された場合 必ず受診前に、通院予定の近くの一般病院(相談窓口小児救急電話相談(8000番))に電話し、通院時間・通院場所など確認し、指示に従って受診[1- 1]。総合病院や救急病院は避ける ■かかりつけ医がない場合 「近くの一般病院受診を指示された場合」と同じ。 ■家庭での投薬 重症化に備え、なるべく早期の通院を推奨[1- 20]。風邪薬・消炎鎮痛薬(処方薬・市販薬)などは、インフルエンザが重症化した際に治療薬の効果を阻害したり脳症が発生しやすいため、必ず、服用前に医師・薬局などへ確認。大人用の薬は子供に服用させてはならない(15歳以下は服用してはならない薬参照) |
■相談 感染時・感染拡大時の対応をあらかじめかかりつけ医と相談(感染時に受診する医療機関の確認、感染時に必要な薬など確認、感染・感染拡大に備えた常備薬の備蓄、感染時にインフルエンザ治療薬と同時に服用してはならない薬の確認など) ■ファックス処方が可能 定期受診患者と発熱時に発熱外来を受診した患者は、あらかじめファックス処方を申し込むと、以降本人は医療機関へ出かけることなく電話問診のみで、希望する薬局で家族が慢性疾患や抗インフルエンザなど必要な薬を受け取ることができる[2- 3][2- 4][2- 5] ■かかりつけ医がない場合 ぜんそくなど持病がある場合は、発症時対応可能な医療機関を探し、夜間・土日祝日の連絡先を確保 |
5歳以下の子供[6- 3] | 学会 厚労省 |
||||
慢性呼吸器疾患 | 学会 厚労省 |
||||
代謝性疾患 (糖尿病など) |
学会 |
||||
腎機能障害 | 学会 厚労省 |
||||
免疫機能不全(癌など) | 厚労省 学会 |
||||
慢性心疾患 | 学会 | ||||
65歳以上の人 | |||||
かかりつけ医がある人 (発熱外来受診暦も) |
|||||
その他全ての人[1- 20] | 発症前に抗インフルエンザ薬を投与すべきでない。予防投与による薬剤耐性ウイルス出現が懸念されている。発症前の診断は困難 |
注)発熱時の受診病院に関する指針の改定
- 4月27日:発熱相談センターへ相談の後、発熱外来を受診・検査
- 6月19日:原則として、全診療機関で受診。ただし、感染時に重症化が懸念される高リスク者の保護のため、感染が疑われる人は通院前に電話で受診時間などを確認[1- 32]。発熱外来と発熱相談センターは地域の状況に応じて維持・廃止
- 秋以降の感染拡大に伴い、発熱外来が必要との意見も[3- 1]
高リスク層
下記の人々[1- 33]は、特に注意が必要とされる。
- 妊娠中の女性 - 特に妊娠28週以降。妊婦はそうでない一般集団より集中治療室を必要とする確率が10倍高い[1- 34]
- 5歳以下の子供 - 2歳以下の小児は特に注意が必要。目を離さないでほしい[1- 31]
- 65歳以上の人 - 1930年以降に生まれた80歳未満の人のほとんどは免疫がない[1- 35][1- 36]。免疫を持たない人は重症化が懸念される(感染研)
- 持病のある人 - じん臓・心臓・呼吸器・神経に病気・障害のある人、糖尿病など代謝性疾患の人、免疫機能不全の人(癌、ステロイド全身投与、メタボ等)
- 免疫力が低下 - 栄養状態が悪い、過労、睡眠不足、体力が落ちている場合など
- 治療までに時間がある - 抗インフルエンザ治療薬の投与が発症後48時間以内に行われていない(欧米、カナダ、メキシコ)[1- 37]、貧困(アメリカ、メキシコ、中国)、医療アクセスが悪い(アメリカ、ウクライナ、オーストラリアのアボリジニ)など
感染力
科学技術振興機構の西浦博・さきがけ研究員らによると、新型とスペイン風邪のウイルスの構造は同じで、免疫のある60歳以上は感染しにくい。0 - 19歳が感染する確率は、60歳以上の15.88倍、40歳以上の4.82倍、20 - 39歳の2.7倍。再流行は小規模な流行にとどまる見込み。新型の感染力は季節性インフルエンザと同程度以下で、1人の感染者から広がるのは1.21 - 1.35人[1- 38]
CDCによると、18歳以下が家庭内感染・発症する確率は、19 - 50歳の2倍。4歳以下の乳幼児は3.5倍、51歳以上は0.4倍。家庭内感染の大半は、最初の患者が発症して間もない時期か、その直前に起きると考えられ、家族に感染し発症するまでの期間は、平均2.6日[1- 39]
統計
地域・国 | 調査時期 | 発症者 | 入院患者 | 重症患者 | 死亡 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
世界 [4- 1][1- 40][1- 41][1- 28][1- 42] |
09年3 - 10月 | 10 - 24歳が大半。千人単位で流行 | 最多は0 - 5歳。10%が妊婦 | ICU:10 - 25% 妊婦のICU使用率:他の10倍 |
2 - 9%。9割に持病(最多は肥満・糖尿病・メタボ)。多くは60歳以下 | 診療を統計より優先しているため、実際の感染者数・死亡者数は公表値より多い |
豪州 [1- 43][1- 6] |
09年6 - 8月(冬) | 例年の約15倍。 65歳以下が9割以上 |
ICU:最長2週間(中央値:7日) 入院患者の60%が人工呼吸器を使用(4 - 16日、中央値:8日) |
最多は5歳未満の子供 | 妊婦:9.1%、肥満度(BMI)35以上:28.6%、リスク要因の全くない成人:約3割 | |
中南米 [1- 44][1- 45] |
09年6 - 8月(冬) | 0 - 5歳、15 - 24歳がほとんど(アルゼンチン) | 発症後すぐに治療を受けた人のほとんどは回復(メキシコ) | 肥満、糖尿病、喘息、慢性腎疾患を持つ人が多かった(ペルー)、肺炎球菌の重複感染で重症化し致死率4.5%[1- 46](アルゼンチン)、市販薬で治そうとした人に死者が多い(メキシコ) | 致死率は、発症後2 - 3日以内に抗インフル治療薬を投与したチリで低く、同様の対応がほとんど取られなかったブラジルとアルゼンチンで高い | |
米国 [1- 47][1- 48] |
09年4月-10年1月12日 | 4100 - 8400万人 | 18万3000 - 37万8000人。糖尿病:19% | 糖尿病患者のICU使用率:25%。重度肥満の入院率は他の4倍 | 8330 - 1万7160人。子供の死亡率は他の年齢層の5倍、重度肥満の死亡率は他の4倍 | 生存例と死亡例の違いは、48時間以内の抗インフルエンザ治療薬投与の有無 |
欧州 [1- 22][1- 52] |
09年4 - 11月 | 最多はメタボ 英国:40% |
戦略は、弱い人を守る。英国は昨冬、暖房代節約の高齢者多数が死亡 | |||
日本 [1- 54][1- 48] |
09年8 - 10年1月 | 受診は2043万人 | 最多は5 - 9歳。推計11723人(-12月) | 重症肺炎が多発。多くが発症後12 - 48時間に重症化。脳症は5 - 9歳が最多[1- 55][1- 19] |
抗インフル治療薬の備蓄による発症後の早期の投与が功奏し、死亡者は大幅に少なかった[1- 37] | 総体的に慢性疾患患者の受診さえ減少しているため、医療アクセスの喪失・貧困などにより、通院しなかった患者・死者は多数と推定 |
(スペイン風邪) [1- 57][1- 58] |
1918年5月-1919年秋 | 人類の約半数。第1波の感染者は、第2波に感染しにくい | 初期に医師多数が倒れ、多くの患者が治療を受けることができずとても困った[4- 2]。栄養・睡眠・温度管理・医療レベルが極端に低い戦争中(-1919年6月)に重症者・死者が多く、戦後は重症者・死者が激減した可能性 | 直接死因は大部分が肺炎。計3波で5000万人。秋冬に激増。第一次世界大戦と飢饉の影響で健康な20 - 40歳が多かった。1918年春(毒性が弱い第1波)の感染者は、秋(致死型の第2波)における死亡率が70%低い | 日常生活の管理・社会的距離の確保・治療薬・人工呼吸器・医療従事者へのワクチン優先接種・医療体制の確保などにより、現在は被害をより抑制できる(2008年5月25日日本経済新聞「蘇れ医療」第一部ほころびる制度(3)「貧しく栄養状態の悪い人から犠牲になった」[21]) |
0 - 9歳 | 10 - 19歳 | 20 - 29歳 | 30 - 39歳 | 40 - 49歳 | 50 - 59歳 | 60 - 69歳 | 70 - 79歳 | 80歳以上 | 感染研、WHO、学会などの考察 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
主な感染者層[1- 62] (7/6 - 11/15) |
38.6% | 47.4% | 5.6% | 3.9% | 2.7% | 1.0% | 0.9% | 小児医療体制の充実が重要。5歳以下は発症後24時間以内、5歳以上は発症後48時間以内の抗インフルエンザ治療薬の投与が生死を分けている。日本小児科学会は、ワクチン接種を推奨 | |||
入院[1- 63] (-3月31日) |
基礎疾患なし | 46.5% | 11.1% | 1.3% | 0.9% | 0.8% | 0.6% | 0.5% | 0.5% | 0.5% | 62.6% |
基礎疾患あり | 18.3% | 6.5% | 1.2% | 1.4% | 1.5% | 2.1% | 2.2% | 2.4% | 1.8% | 入院患者の基礎疾患の60%は慢性呼吸器疾患 | |
重症 (-3月31日) [1- 63][1- 64] |
人工呼吸器 [1- 65][1- 66] |
47.1% | 11.0% | 3.7% | 4.8% | 7.5% | 9.2% | 6.9% | 6.7% | 3.1% | 発熱後12 - 48時間で重症化[1- 67]。最多は5 - 8歳、死亡は5人、多くは感染初期に重症化しやすいウイルス性肺炎、肺炎による入院は最大1万人[1- 68] |
脳症 [1- 69][1- 66] |
68.1% | 21.2% | 2.4% | 1.8% | 1.5% | 1.5% | 1.5% | 1.5% | 0.6% | 感染研のまとめ。発熱当日-48時間で重症化しやすく、全例で意識障害、中心年齢層は5―9歳、年齢分布は1 - 70歳、死亡・後遺症は計22人[1- 56]。新型ウイルスは肺まで達しやすく、脳症につながりやすい[1- 19] | |
死亡[1- 63] (-3月30日) |
基礎疾患なし | 12.6% | 1.5% | 3.5% | 3.0% | 4.5% | 4.0% | なし | 1.0% | なし | 14歳以下はほぼ全員が自宅で重症化。 症状がなく通院前に自宅で突然死1例(4歳)、 症状があり通院前に自宅で突然死3例(0 - 2歳)、 症状があり通院後自宅療養中に重症化20例[1- 70]。 感染者の2割は発熱などの症状が出ない。注意が必要 |
基礎疾患あり | 4.0% | 2.5% | 2.0% | 4.0% | 11.1% | 11.6% | 12.6% | 10.6% | 11.1% | 70%。通院後、帰路・自宅で重症化・死亡も多い。 0 - 29歳は喘息等の呼吸器疾患/神経疾患/肥満/糖尿。 20 - 69歳は糖尿病/呼吸器疾患/心臓疾患/高血圧、 70歳以上は呼吸器疾患/心臓疾患/糖尿病が多い[1- 71]。肥満・糖尿病・高血圧・心臓疾患・メタボの多くは、食事療法・規則的な生活・適度な運動で予防できる |
|
感染研・厚労省の考察 [1- 72] |
感染の主体 | 看病の母親も感染の主体。家庭から地域社会へ流行が拡大する恐れ | 感染時の死亡率はもっとも高い | 一番体が弱く、季節性インフルエンザで数多く死亡する65歳以上は、まだほとんどかかっていない。65歳以上に流行が広がれば、死者が増加する可能性 |
予防
個人における衛生
メイヨークリニックは、季節性インフルエンザの感染を個人のレベルで予防する方法を提唱しているが、それは新型インフルエンザに対しても応用可能である。それは、可能な時に予防接種を受けること、頻回に充分に手洗いをすること、新鮮な野菜と果物を含むバランスのとれた栄養、全粒穀物、脂肪の少ない蛋白質、充分な睡眠、恒常的に運動すること、人ごみを避けることなどである[3- 2]。
WHOなどが提唱する他の追加的な予防法:口や鼻を触らない(感染者の手に付着したウイルスがボタン・ドアノブ・手すり・つり革などに付着し、他者がそれらを触れ、そのまま手で口や鼻を触ると感染する可能性が高い)。うがいをする。石鹸で手洗い。症状のある人に近づかない。部屋を換気し、温度・湿度を高めに保つ。
- マスクを着用
- 室内は、換気・室温高め・湿度高め - 室内にぬれタオルを干すなど工夫を[1- 73]。暖房・冷房で部屋を閉め切ると、感染の危険性が高まる。新型ウイルスは湿気を嫌い低温を好む
- 室内でのスカーフ・マフラーなど防寒着の着用。体温を暖かく維持
- 手のケア
- 外出中は、ボタン・ドアノブ・手すり・つり革などはティッシュの上から触れる
- 外出後は手洗い
- 口のケア
- 外出後はうがい
- こまめに水分補給。のどが渇かないようにする
感染管理
- 周囲に感染させない- 高リスク者の感染を防ぐには、感染患者による2次被害防止は必要不可欠。新型インフルエンザは弱毒性ではない[1- 74]。4月のウイルスは重篤な全身症状を生じる遺伝子を欠くために季節性インフルエンザと同様に主に呼吸器の症状にとどまり、3 - 7月の致死率は約200万人が死亡したアジア風邪並みの約0.5%(オランダ・ユトレヒト大の西浦氏ら)であったが、10月には致死率は2 - 9%へ上昇[4- 1]している。
- マスクの着用 - 症状が出た人はマスクを着用し、外出を自粛し、他人にせきやくしゃみをかけないよう推奨されている[3- 5][3- 6]。マスクにより、せきの飛沫は95〜99%減少。患者全員が真剣にマスクをすれば、感染抑止力は大きい(西村秀一 仙台医療センター ウイルスセンター長)
- 自宅待機 - 自宅待機の目安となる体温は37.5度。家族などとは別の部屋で過ごして接触を避ける。タオルは家族などとは違うものを使用し、マスクを着用。窓を開けての換気と水分補給はこまめに。十分に睡眠。熱が下がってから2 - 7日間は外出を控える[1- 1]。
- 通院前に電話で行動を確認 - 必ず、通院前に電話で医療機関に受診場所・受診時間・入り口などを確認[1- 1][1- 75]
- 大きな効果 - 患者1人がマスクを着用し外出を控えると、感染患者・国内患者総数は40 - 75%に減少、効果はワクチン1600万人分に匹敵(田中剛平・東京大学助教(数理工学)、合原一幸教授・東京大生産技術研究所)
新型インフルエンザワクチン
2009 - 2010年時点の情報であり、英国医師会は有効性の根拠となるデータに疑問を示した(#治療参照)
- 対象:スペイン風邪では医療従事者の感染が多く医療体制が崩壊したため、医療従事者に優先接種。季節性インフルエンザの高リスク層(幼児・高齢者)より、新型インフルエンザ感染者の多い集団を優先すべき(米ジョージ・ワシントン大学のシモンセン教授。2009年5月9日 Bloomberg)。日本では、2009年9月8日までに入院した患者は、19歳以下が75%、基礎疾患なしが55%[4- 3]であったため、同年11月以降に小児に優先接種、以降は感染者総数が減少。
- 接種回数:小児と免疫不全以外を1回にすることでより多くの人へ接種するよう推奨[4- 4][4- 5]
- 変異型:重篤な症状を生じている変異型にも有効[4- 8]
- 供給:WHOは、発展途上国など85か国でワクチン調達の見込みがないと資金・技術の提供を呼びかけ、米英仏は自国で確保したワクチンから5000万回分を寄贈[4- 9][4- 10]、グラクソ・スミスクライン社は5000万本を寄贈し途上国95か国へ配布[4- 11]。
- 2010-11年冬は、季節性ワクチンへの新型ワクチンの組み込みを推奨[4- 12]
アメリカ
欧州
- 副作用への懸念や、H1N1インフルエンザの毒性は強くないと考えられて、確保したワクチンの8 - 9割に接種希望がなく、接種率が極めて低い[4- 16]
- 英:接種率17%。病院を訪れる人の54%、妊婦の95%がワクチン接種を拒否[4- 17]
- 仏:接種率14%。追加注文の5割を解約[4- 18]
- 独:接種率8%。追加注文の3割を解約[4- 18]
- 伊:接種率5%
- ポーランド:ワクチンを一切輸入していないが死亡率は他の欧州諸国と大差なかった[4- 18]
スイスの対応[4- 19] | 接種可能 | 接種禁止 | 備考 |
---|---|---|---|
ノバルティス社(本社:スイス)のワクチン「フォセトリア」 | 生後6カ月以上-成人 | 妊婦 | EU認可 |
グラクソ・スミスクライン社(本社:イギリス)のワクチン「パンデムリクス」 | 60歳以上、妊婦、18歳未満の子供 |
日本
接種回数 | 副作用 | 接種禁止 | 備考 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
国産ワクチン | 1 - 12歳 | 2回 | 基礎疾患の悪化など。詳細は下表参照 | 基礎疾患のある人[4- 20]、卵アレルギーがある人[22]、発熱している人、非常に重い急性疾患にかかっている人、その他予防接種を行うことが不適当な状態にある人[4- 21] | 遺伝子検査などですでに感染していると確定している人は、今季はワクチンは必要はない | |
免疫不全かつ基礎疾患のある人 | ||||||
その他 | 1回 | |||||
輸入ワクチン[4- 22][4- 23] | ノバルティス | 3 - 17歳 | 2回 | 元になるウイルスで変異が確認された(効果がない可能性) | 妊婦、小児、基礎疾患のある人 | WHOによると、日本政府は輸入ワクチンを日本向けに購入するのでなく、国内で製造能力がない国への支援に回すべき[4- 24]。東京大学・生命・医療倫理系プロジェクトチームは、安全性が十分に確認された製品を輸入するよう政府に提言[4- 25]。承認されても基礎疾患のない19 - 64歳のみに接種の見込み。副作用は、2月の販売後に19 - 64歳の健康な成人1万人を調べる臨床試験で調査[4- 26] |
50歳以上 | ||||||
その他 | 1回 | |||||
グラクソ・スミスクライン | 1回 | 動物実験で死亡例、98%に痛み |
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌ワクチンにより、新型インフルエンザに感染しても死亡や重症化を抑制でき、日本人の死因4位である肺炎が予防できるとされている。肺炎による死者の95%は65歳以上であり、季節性インフルエンザの場合は季節性インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン併用で死亡率は80%減少するとされる[4- 27]。
政府による医薬品以外の対策
治療
治療法は従来のインフルエンザと同様である。特徴的な事としては、治療薬の予防目的使用が推し進められた点がある。
アメリカ疫病予防管理センター (CDC) は、健康な人、大人でも子供でも大部分は抗ウイルス薬がなくても休養すれば治るもので、抗ウイルス薬による治療は必要なく、薬の備蓄には限りがあり、過剰に投与すれば耐性ウイルスの危険性があるとした[24]。
2009年には、WHOなどによると、インフルエンザ症状がある場合は、検査結果の確定を待つことなくできるだけ早期のタミフル投与が重要とされた[6- 5][6- 6]。発症後48時間を越えるとウイルスは既に最大限増殖してしまった後となり、効果は低くなる。子供用タミフルの不足に伴い、大人用を分解して処方している場合もある[6- 7]。
日本感染症学会の提言では、病院施設、高齢者施設においてインフルエンザが発生した場合、ワクチン接種の有無にかかわらず、同居者に対して抗インフルエンザ薬の予防的投与を行うとの方針を取った[25]。
しかし、WHOやアメリカCDC、欧州ECDCタミフルを推奨したが、その根拠となるデータは確認しておらず、またロシュは臨床試験の完全なデータを公開すると約束していたが、その大部分は未発表のままであった[26]。『イギリス医師会雑誌』(BMJ)はサイトを立ち上げ[26]、ロシュ社に対して完全な臨床試験データを公開するよう促した[27]。2012年には、コクラン共同計画が日本、アメリカ、欧州の規制機関に提出された臨床試験のデータをシステマティック・レビューし、21時間発症時間が短縮されることと、感染や入院のリスクを低下させるかは結論できないとし、また出版バイアスの可能性を発見した[28]。そして2014年には提出された完全なデータに基づいて、報告は改定された[29]。伴って、コクラン共同計画とBMJは声明を出した[30]。それは、出版バイアスを除外した24,000人以上からの分析からは、オセルタミビル(タミフル)とザナミビル(リレンザ)は、当初の使用の理由である入院や合併症を減少させるという十分な証拠はなく、成人では発症時間を7日から6.3日に減少させ、小児では効果は不明であり、5%に嘔吐・悪心の副作用が生じ、精神医学的な副作用を1%増加させるとし、世界的な備蓄が必要なほどの恩恵があるかどうかの見直しの必要性を報告した[30]。このH1N1インフルエンザの流行中に実施された臨床試験は0に近いため、オセルタミビルとザナミビルがどれほど有効かは不明である[31]。
各国政府の対応
各国は、インフルエンザの流行に備えて、数千億円規模を投じてオセルタミビル(タミフル)を備蓄したが[32]、不発に終わり、後には政府や科学者に対する「エフ・ホフマン・ラ・ロシュ」による影響があったためとみなされている[33]。
日本
2009年4月26日、内閣総理大臣麻生太郎が、検疫体制の強化や在外日本人への情報提供などの体制を指示。厚生労働省や自治体に電話相談窓口が開設された。4月27日、厚生労働省が感染の疑いのある帰国者・入国者を留め置く「停留」のための医療施設を、既に成田周辺で約500室を確保した[34]。
また4月28日からはメキシコ、米国、カナダから成田、中部、関西、そして福岡の国内4空港に到着した国際便については、降機前に乗客に機内で「機内検疫」[35]の実施を始めた[36]。
4月29日からは「臨船検疫」も開始され、横浜、神戸、関門の港についても、上記3か国からの乗員乗客への検疫体制が強化される。検疫官不足[37]解消のため、防衛医科大学校職員と陸上自衛隊の医官の応援派遣をしている。また4月30日より、品種改良の目的で輸入された生きた豚の全頭検査も開始された。
国内各地では、保健所での「発熱相談センター」や医療機関での「発熱外来」が順次設けられることになっており、早いものは4月28日から開設された。同日、政府は「新型インフルエンザ対策本部」を設置し「基本的対処方針」を決定した。地方自治体の動きとしては、5月5日に最初の感染者が神戸市で発見されたことにより、5月17日に兵庫県庁が「緊急事態宣言」を発表した。
日本国政府の方針転換を受けて、7月24日以降に全数検査を全国で中止するよう通達が出され、発熱外来も多くの保健所で廃止し、全ての医療機関で受診、治療を受けられるようにした。また、東京などの都市部では、A型インフルエンザと判定された場合でも、従来型か新型かの追加検査を行わない方針とした保健所が多い。これにより、都市部では通常の季節性インフルエンザと同様の扱いとなるが、都市部以外では依然として独自に自治体内の新型感染者数の全数調査を行うなど、特別扱いしている地方も多く、全国で対応が統一されるには至らなかった。
法的措置
当初、感染症法に基づき、対処する事を目論んでいたが、公衆衛生上の対策(例として、外出自粛や学校、興行場、催物の制限など)を市民に要請する際に、感染症法では興業の制限などの要請を想定しておらず対応が出来ないことが明らかとなった。この事態を踏まえ、2012年5月新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行された[38]。
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国(米国)は2009年4月26日、ジャネット・ナポリターノ国土安全保障長官が緊急記者会見において、「公衆衛生に関する緊急事態」を宣言した[39]。
2009年10月24日、オバマ米大統領が新型インフルエンザを深刻な自然災害などに準ずる国家非常事態に指定する宣言に署名した。米国では新型インフルによる死者が23日に1000人を突破し、ワクチンの調達確保など対策強化が必要な状況になっている。 [40]
イスラム圏
エジプト政府は2009年4月29日、人民議会の勧告を飲む形で、同国内で飼育されている豚の処分に着手した[41]。イスラム教では豚は不浄の動物とされる一方で飼い主たちはキリスト教系のコプト派信者だったが[41]、あるイスラム原理主義系議員は「宗教上の理由で豚の飼育に反対しているわけではない」と読売新聞に語っている[42]。なお、エジプトでは豚が処分された結果、今まで豚が生ゴミの処分を行っていたため生ゴミが処分されずに町中に溢れかえりゴミ問題が深刻化している[43]。
感染の状況(感染確認事例数)
日本
厚生労働省は、重症化や死亡した例などを除いて、新型インフルエンザかどうかを調べるPCR(遺伝子)検査を当分の間行わなくてよいとしたため、現在の国内の正確な感染者数は不明であるが、国立感染症研究所は2009年第28週(同年7月12日)以降これまでの累積の推計患者数は約1546万人に達したと推計している。
また、ここには国立感染症研究所が発表した2009年12月7日-12月13日(2009年第50週)の間に都道府県ごとに簡易検査でインフルエンザA型と診断された人数(全国約5000カ所の定点医療機関からの報告数のみ)と、同定点医療機関の1医療機関あたりの人数、それに2009年12月21日までの新型インフルエンザによる死者数が掲載されている。
※1 新型か季節性かは不明だが、ほとんどは新型とみられている。
感染確認の推移
発表 | UTC現在 | 国 | 確認事例 うち ()内は死亡事例 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
国数 | 初確認 国・地域 |
世界 | 米国 | メキシコ | カナダ | 日本 | 英国 | チリ | 豪 | |||
1 | 2009-04-24 | 2 | メキシコ、米国 | 25 (不明) |
7 (不明) |
18 (不明) |
||||||
2 | 2009-04-26 | 2 | ― | 38 (不明) |
20 (不明) |
18 (不明) |
||||||
3 | 2009-04-27 | 4 | カナダ、スペイン | 73 ( 7) |
40 | 26 (7) |
6 | |||||
4 | 2009-04-28 19:15 |
7 | ニュージーランド、 英国、イスラエル |
105 ( 7) |
64 | 26 (7) |
6 | 2 | ||||
5 | 2009-04-29 18:00 |
9 | オーストリア、 ドイツ |
148 ( 8) |
91 (1) |
26 (7) |
13 | 5 | ||||
6 | 2009-04-30 17:00 |
11 | オランダ、スイス | 257 ( 8) |
109 (1) |
97 (7) |
19 | 8 | ||||
7 | 2009-05-01 06:00 |
11 | ― | 331 (10) |
109 (1) |
156 (9) |
34 | 8 | ||||
8.1 | 2009-05-01 23:30 |
13 | 中国(香港)、 デンマーク |
367 (10) |
141 (1) |
156 (9) |
34 | 8 | ||||
9 | 2009-05-02 06:00 |
15 | フランス、韓国 | 615 (17) |
141 (1) |
397 (16) |
34 | 13 | ||||
10 | 2009-05-02 17:00 |
16 | コスタリカ | 658 (17) |
160 (1) |
397 (16) |
51 | 15 | ||||
11 | 2009-05-03 06:00 |
17 | アイルランド | 787 (20) |
160 (1) |
509 (19) |
70 | 15 | ||||
12 | 2009-05-03 16:00 |
18 | イタリア | 898 (20) |
226 (1) |
509 (19) |
85 | 15 | ||||
13 | 2009-05-04 06:00 |
20 | コロンビア、 エルサルバドル |
985 (26) |
226 (1) |
590 (25) |
85 | 15 | ||||
14 | 2009-05-04 18:00 |
21 | ポルトガル | 1085 (26) |
286 (1) |
590 (25) |
101 | 18 | ||||
15 | 2009-05-05 06:00 |
21 | ― | 1124 (26) |
286 (1) |
590 (25) |
140 | 18 | ||||
16 | 2009-05-05 16:00 |
21 | ― | 1490 (30) |
403 (1) |
822 (29) |
140 | 27 | ||||
17 | 2009-05-06 06:00 |
22 | グアテマラ | 1516 (30) |
403 (1) |
822 (29) |
165 | 27 | ||||
18 | 2009-05-06 16:00 |
23 | スウェーデン | 1893 (31) |
642 (2) |
942 (29) |
165 | 28 | ||||
19 | 2009-05-07 06:00 |
23 | ― | 2099 (44) |
642 (2) |
1112 (42) |
201 | 28 | ||||
20 | 2009-05-07 18:00 |
24 | ポーランド | 2371 (44) |
896 (2) |
1112 (42) |
201 | 32 | ||||
21 | 2009-05-08 06:00 |
24 | ― | 2384 (44) |
896 (2) |
1112 (42) |
214 | 32 | ||||
22 | 2009-05-08 16:00 |
25 | ブラジル | 2500 (46) |
896 (2) |
1204 (44) |
214 | 34 | ||||
23 | 2009-05-09 06:00 |
29 | オーストラリア、日本、 パナマ、アルゼンチン |
3440 (48) |
1639 (2) |
1364 (45) |
242 (1) |
3 | 34 | 1 | ||
24 | 2009-05-10 07:30 |
29 | ― | 4379 (49) |
2254 (2) |
1626 (45) |
280 (1) |
4 | 39 | 1 | ||
25 | 2009-05-11 06:00 |
30 | 中国(本土)、 ノルウェー |
4694 (53) |
2532 (3) |
1626 (48) |
284 (1) |
4 | 47 | 1 | ||
26 | 2009-05-12 06:00 |
30 | ― | 5251 (61) |
2600 (3) |
2059 (56) |
330 (1) |
4 | 55 | 1 | ||
27 | 2009-05-13 06:00 |
33 | キューバ、タイ、 フィンランド |
5728 (61) |
3009 (3) |
2059 (56) |
358 (1) |
4 | 68 | 1 | ||
28 | 2009-05-14 06:00 |
33 | ― | 6497 (65) |
3352 (3) |
2446 (60) |
389 (1) |
4 | 71 | 1 | ||
29 | 2009-05-15 06:00 |
34 | ベルギー | 7520 (65) |
4298 (3) |
2446 (60) |
449 (1) |
4 | 71 | 1 | ||
30 | 2009-05-16 07:00 |
36 | エクアドル、ペルー | 8451 (72) |
4714 (4) |
2895 (66) |
496 (1) |
4 | 78 | 1 | ||
31 | 2009-05-17 06:00 |
39 | インド、マレーシア、 トルコ |
8480 (72) |
4714 (4) |
2895 (66) |
496 (1) |
7 | 82 | 1 | ||
32 | 2009-05-18 06:00 |
40 | チリ | 8829 (74) |
4714 (4) |
3103 (68) |
496 (1) |
125 | 101 | 1 | 1 | |
33 | 2009-05-19 06:00 |
40 | ― | 9830 (79) |
5123 (5) |
3648 (72) |
496 (1) |
159 | 102 | 4 | 1 | |
34 | 2009-05-20 06:00 |
41 | ギリシャ | 10243 (80) |
5469 (6) |
3648 (72) |
496 (1) |
210 | 102 | 5 | 1 | |
35 | 2009-05-21 06:00 |
41 | ― | 11034 (85) |
5710 (8) |
3892 (75) |
719 (1) |
259 | 109 | 5 | 3 | |
36 | 2009-05-22 06:00 |
42 | フィリピン | 11168 (86) |
5764 (9) |
3892 (75) |
719 (1) |
294 | 112 | 24 | 7 | |
37 | 2009-05-23 06:00 |
43 | ロシア(、台湾) | 12022 (86) |
6552 (9) |
3892 (75) |
719 (1) |
321 | 117 | 24 | 12 | |
38 | 2009-05-25 06:00 |
46 | アイスランド、 ホンジュラス、 クウェート |
12515 (91) |
6552 (9) |
4174 (80) |
805 (1) |
345 | 122 | 44 | 16 | |
39 | 2009-05-26 06:00 |
46 | ― | 12954 (92) |
6764 (10) |
4174 (80) |
921 (1) |
350 | 137 | 74 | 19 | |
40 | 2009-05-27 06:00 |
48 | シンガポール、 バーレーン |
13398 (95) |
6764 (10) |
4541 (83) |
921 (1) |
360 | 137 | 86 | 39 | |
41 | 2009-05-29 06:00 |
53 | ドミニカ共和国、 ウルグアイ、 チェコ、ルーマニア、 スロバキア、 |
15510 (99) |
7927 (11) |
4910 (85) |
1118 (2) |
364 | 203 | 165 | 147 | |
42 | 2009-06-01 06:00 |
62 | バハマ、ジャマイカ、 ベネズエラ、ボリビア、 パラグアイ、ベトナム、 ハンガリー、キプロス、 エストニア |
17410 (115) |
8975 (15) |
5029 (97) |
1336 (2) |
370 | 229 | 250 | 297 | |
43 | 2009-06-03 06:00 |
66 | レバノン、ニカラグア、 エジプト、ブルガリア |
19273 (117) |
10053 (17) |
5029 (97) |
1530 (2) |
385 | 339 | 313 | 501 | |
44 | 2009-06-05 06:00 |
69 | ルクセンブルク、 バルバドス、 サウジアラビア |
21940 (125) |
11054 (17) |
5563 (103) |
1795 (3) |
410 | 428 | 369 (1) |
876 | |
45 | 2009-06-08 06:00 |
73 | ケイマン諸島、 ドミニカ国、 トリニダード・トバゴ、 アラブ首長国連邦 |
25288 (139) |
13217 (27) |
5717 (106) |
2115 (3) |
410 | 557 | 411 (1) |
1051 | |
46 | 2009-06-10 06:00 |
74 | ウクライナ | 27737 (141) |
13217 (27) |
5717 (106) |
2446 (4) |
485 | 666 | 1694 (2) |
1224 | |
47 | 2009-06-11 14:00 |
74 | ― | 28774 (144) |
13217 (27) |
6241 (108) |
2446 (4) |
518 | 822 | 1694 (2) |
1307 | |
48 | 2009-06-12 07:00 |
74 | ― | 29669 (145) |
13217 (27) |
6241 (108) |
2978 (4) |
549 | 822 | 1694 (2) |
1307 | |
49 | 2009-06-15 17:00 |
76 | モロッコ、 ヨルダン川西岸地区、 ガザ地区 |
35928 (163) |
17855 (45) |
6241 (108) |
2978 (4) |
605 | 1226 | 1694 (2) |
1823 | |
50 | 2009-06-17 12:00 |
88 | イエメン、カタール、 ヴァージン諸島、 キュラソー島、 サモア、ジャージー、 スリランカ、マン島、 マルティニーク、 バミューダ、ポリネシア、 ヨルダン |
39620 (167) |
17855 (44) |
6241 (108) |
4049 (7) |
666 | 1461 (1) |
2335 (2) |
2112 | |
51 | 2009-06-19 07:00 |
94 | オマーン、スリナム、 セント・マーチン島、 パプアニューギニア、 南アフリカ、ラオス |
44287 (180) |
17855 (44) |
7624 (113) |
4905 (12) |
690 | 1752 (1) |
2199 | ||
52 | 2009-06-22 07:00 |
99 | アルジェリア、スロベニア、 バングラデシュ、 フィジー、ブルネイ |
52160 (231) |
21449 (87) |
7624 (113) |
5710 (13) |
850 | 2506 (1) |
4315 (4) |
2436 (1) |
|
53 | 2009-06-24 07:00 |
108 | アンティグア・バーブーダ、 カーボヴェルデ、 エチオピア、カンボジア、 コートジボワール、 チュニジア、バヌアツ、 モンテネグロ、ラトビア |
55867 (238) |
21449 (87) |
7847 (115) |
6457 (15) |
893 | 2905 (1) |
4315 (4) |
2857 (2) |
|
54 | 2009-06-26 07:00 |
112 | イラン、セルビア、 インドネシア、 ガーンジー |
59814 (263) |
21449 (87) |
8279 (116) |
6732 (19) |
1049 | 3597 (1) |
5186 (7) |
3280 (3) |
|
55 | 2009-06-29 09:00 |
116 | イラク、ネパール、 モナコ、リトアニア |
70893 (311) |
27717 (127) |
8279 (116) |
7775 (21) |
1212 | 4250 (1) |
5186 (7) |
4038 (7) |
|
56 | 2009-07-01 09:00 |
120 | ニューカレドニア、 ケニア、モーリシャス、 ミャンマー、セントルシア |
77201 (332) |
27717 (127) |
8680 (116) |
7983 (25) |
1266 | 6538 (3) |
6211 (12) |
4090 (7) |
|
57 | 2009-07-03 09:00 |
125 | アルバ、ウガンダ、 パラオ、マルタ、 ボスニア・ヘルツェゴビナ |
89921 (382) |
33902 (170) |
10262 (119) |
7983 (25) |
1446 | 7447 (3) |
7376 (14) |
4568 (9) |
|
58 | 2009-07-06 09:00 |
135 | イギリス領ヴァージン諸島、 ガイアナ、クック諸島、 グアドループ、クロアチア、 セント・マーチン島、 シリア、プエルトリコ、 マケドニア、リビア |
94512 (429) |
33902 (170) |
10262 (119) |
7983 (25) |
1790 | 7447 (3) |
7376 (14) |
5298 (10) |
2009年7月6日より、WHOの集計方法が変更された。
報告 | UTC現在 | 世界地域別・確認累計 感染者数 うち ()内は死者数 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アフリカ[46] | 南北アメリカ(注)[47] | 東地中海[48] | ヨーロッパ[49] | 東南アジア[50] | 西太平洋[51] | 全世界 | ||
59 | 2009-07-27 | 157 (0) |
87965 (707) |
890 (1) |
16556 (34) |
7358 (44) |
21577 (30) |
134503 (816) |
60 | 2009-08-04 | 229 (0) |
98242 (1008) |
1301 (1) |
26089 (41) |
9858 (65) |
26661 (39) |
162380 (1154) |
61 | 2009-08-12 | 591 (1) |
102905 (1274) |
2546 (7) |
32000超 (53) |
11432 (83) |
28120 (43) |
177457 (1462) |
62 改訂 |
2009-08-21 | 1469 (3) |
105882 (1579) |
2532 (8) |
32000超 (53) |
13172 (106) |
27111 (50) |
182166 (1799) |
63 | 2009-08-28 | 3843 (11) |
110113 (1876) |
3128 (10) |
42557超 (85以上) |
15771 (139) |
34026 (64) |
209438超 (2185以上) |
64 | 2009-09-04 | 3872 (11) |
116046 (2234) |
5031 (21) |
46000超 (104以上) |
19362 (188) |
63895 (279) |
254206超 (2837以上) |
65 | 2009-09-11 | 6336 (35) |
120653 (2467) |
9844 (51) |
49000超 (125以上) |
22387 (221) |
69387 (306) |
277607超 (3205以上) |
66 | 2009-09-18 | 8125 (40) |
124126 (2625) |
10533 (61) |
52000超 (140以上) |
25339 (283) |
76348 (337) |
296471超 (3486以上) |
67 | 2009-09-25 | 8264 (41) |
130488 (2948) |
11621 (72) |
53000超 (154以上) |
30293 (340) |
85299 (362) |
318925超 (3917以上) |
68 | 2009-10-02 | 8352 (42) |
137147 (3020) |
12008 (74) |
56000超 (176以上) |
33594 (413) |
96197 (383) |
343298超 (4108以上) |
69 | 2009-10-09 | 12382 (70) |
146016 (3292) |
12861 (80) |
59000超 (193以上) |
38038 (480) |
109926 (410) |
378223超 (4525以上) |
70 | 2009-10-16 | 12456 (70) |
153697 (3406) |
13855 (90) |
61000超 (207以上) |
39522 (530) |
118702 (432) |
399232超 (4735以上) |
71 | 2009-10-23 | 13297 (75) |
160129 (3539) |
14739 (96) |
63000超 (261以上) |
41513 (573) |
122267 (455) |
414945超 (4999以上) |
72 | 2009-10-30 | 13536 (75) |
174565 (4175) |
17150 (111) |
64000超 (281以上) |
42901 (605) |
129509 (465) |
441661超 (5712以上) |
73 | 2009-11-06 | 14109 (76) |
185067 (4399) |
22689 (137) |
78000超 (300以上) |
44147 (661) |
138288 (498) |
482300超 (6071以上) |
74 | 2009-11-13 | 14868 (103) |
190765 (4512) |
25531 (151) |
78000超 (300以上) |
44661 (678) |
149711 (516) |
503536超 (6260以上) |
75 | 2009-11-20 | 14950 (103) |
190765 (4806) |
28751 (188) |
79000超 (350以上) |
45844 (710) |
166750 (613) |
526060超 (6770以上) |
76 | 2009-11-27 | 15503 (104) |
190765 (5360) |
38359 (330) |
154000超 (650以上) |
47059 (738) |
176796 (644) |
622482超 (7826以上) |
(注) 南北アメリカ地区は、11月13日の発表より新たな感染者の報告を中止した。
2009年12月4日より、WHOの集計方法が変更され、感染者数の公表を中止した。
報告 | UTC現在 | 世界地域別・確認累計 死者数 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アフリカ[46] | 南北アメリカ[47] | 東地中海[48] | ヨーロッパ[49] | 東南アジア[50] | 西太平洋[51] | 全世界 | ||
77 | 2009-12-4 | 108 | 5878 | 392 | 918以上 | 766 | 706 | 8768以上 |
78 | 2009-12-11 | 109 | 6131以上 | 452 | 1242以上 | 814 | 848 | 9596以上 |
79 | 2009-12-18 | 109 | 6335以上 | 572 | 1654以上 | 892 | 1020 | 10582以上 |
80 | 2009-12-23 | 109 | 6670以上 | 663 | 2045以上 | 990 | 1039 | 11516以上 |
81 | 2009-12-30 | 130 | 6670以上 | 693 | 2422以上 | 1056 | 1249 | 12220以上 |
82 | 2010-01-08 | 131 | 6880以上 | 708 | 2554以上 | 1165 | 1361 | 12799以上 |
83 | 2010-01-15 | 131 | 7016以上 | 883 | 2778以上 | 1289 | 1447 | 13554以上 |
84 | 2010-01-22 | 131 | 7094以上 | 941 | 3099以上 | 1366 | 1511 | 14142以上 |
85 | 2010-01-29 | 133 | 7166以上 | 1002 | 3429以上 | 1426 | 1555 | 14711以上 |
86 | 2010-02-05 | 167 | 7261以上 | 1014 | 3605以上 | 1474 | 1653 | 15174以上 |
87 | 2010-02-12 | 167 | 7261以上 | 1018 | 3648以上 | 1523 | 1675 | 15292以上 |
88 | 2010-02-19 | 167 | 7433以上 | 1018 | 4056以上 | 1562 | 1685 | 15921以上 |
89 | 2010-02-26 | 167 | 7484以上 | 1018 | 4266以上 | 1601 | 1690 | 16226以上 |
90 | 2010-03-05 | 167 | 7539以上 | 1018 | 4388以上 | 1633 | 1710 | 16455以上 |
91 | 2010-03-12 | 167 | 7576以上 | 1019 | 4571以上 | 1664 | 1716 | 16713以上 |
92 | 2010-03-19 | 167 | 7622以上 | 1019 | 4596以上 | 1691 | 1718 | 16813以上 |
93 | 2010-03-26 | 167 | 7673以上 | 1019 | 4637以上 | 1709 | 1726 | 16931以上 |
94 | 2010-04-01 | 167 | 8175以上 | 1019 | 4669以上 | 1726 | 1727 | 17483以上 |
95 | 2010-04-09 | 167 | 8217以上 | 1019 | 4763以上 | 1733 | 1801 | 17700以上 |
96 | 2010-04-16 | 168 | 8274以上 | 1019 | 4776以上 | 1757 | 1804 | 17798以上 |
97 | 2010-04-23 | 168 | 8309以上 | 1019 | 4783以上 | 1769 | 1805 | 17853以上 |
98 | 2010-04-30 | 168 | 8316以上 | 1019 | 4835以上 | 1773 | 1808 | 17919以上 |
99 | 2010-05-07 | 168 | 8357以上 | 1019 | 4860以上 | 1787 | 1810 | 18001以上 |
100 | 2010-05-14 | 168 | 8361以上 | 1019 | 4861以上 | 1798 | 1829 | 18036以上 |
101 | 2010-05-21 | 168 | 8396以上 | 1019 | 4874以上 | 1808 | 1832 | 18097以上 |
102 | 2010-05-28 | 168 | 8401以上 | 1019 | 4878以上 | 1814 | 1834 | 18114以上 |
103 | 2010-06-04 | 168 | 8410以上 | 1019 | 4878以上 | 1825 | 1837 | 18138以上 |
104 | 2010-06-11 | 168 | 8423以上 | 1019 | 4879以上 | 1829 | 1838 | 18156以上 |
105 | 2010-06-18 | 168 | 8427以上 | 1019 | 4879以上 | 1838 | 1841 | 18172以上 |
106 | 2010-06-25 | 168 | 8450以上 | 1019 | 4879以上 | 1852 | 1841 | 18209以上 |
107 | 2010-07-02 | 168 | 8462以上 | 1019 | 4879以上 | 1866 | 1845 | 18239以上 |
108 | 2010-07-09 | 168 | 8516以上 | 1019 | 4879以上 | 1883 | 1846 | 18311以上 |
発生からの動き
2009年
2月から3月
- 2月下旬 - メキシコ東部ベラクルス州ラグロリア村[53]で、インフルエンザのような呼吸器障害・高熱の症状を示す村人が相次ぎ、死亡する事例も現れる。この時、政府に訴えたが政府は危険性を把握できなかった為に事件が広まったと、ある記者は言う。翌3月には、村の人口の6割である約1800人が発症[54]。
- 3月30日 - カリフォルニア州サンディエゴ郡の少年にせきや発熱、嘔吐などの症状(米国での最初の症例)[55]。
4月
- 4月2日 - メキシコ政府は、東部ベラクルス州ラグロリア村での4歳男児の感染(3月下旬から発熱。後に回復)を確認(4月27日の記者会見で公表)[55]。
- 4月13日 - メキシコ南部オアハカ州で女性の感染(後に死亡)を確認(当初、メキシコでの最初の症例とされた)。メキシコでは解明ができず、カナダの保健当局にウイルスの検査を依頼[55]。
- 4月14日 - 米国の疾病対策センター(CDC)が、サンディエゴの少年について豚インフルエンザの感染例と初めて断定[55]。
- 4月23日
- 4月24日 - メキシコの一部事例とアメリカの事例で、H1N1型ウイルスが共通する遺伝子を持っているとするカナダの研究所の調査結果をWHOが公表[56]。
- 4月25日 - 状況がWHOの国際保健規則(IHR)が定める「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するとの決定を事務局長が発表[14]。
- 4月26日
- 4月27日
- 4月28日
- 4月29日
- 4月30日
5月
- 5月1日
- 5月2日 - 韓国、イタリアで初の感染が確認される。[69][70][71]
- 5月6日 - テキサス州の慢性病を抱える女性が新型インフルエンザで死亡(米国内居住者初の死者)[72][73]。
- 5月7日
- 5月8日
- 5月9日
- 5月10日
- WHO 発表による2009年5月10日 7時30分 UTC現在の感染確認事例数:メキシコ1626(うち死亡例45)、米国2254(うち死亡例2)、カナダ280(うち死亡例1)、中南米、北米、欧州、中東、東アジア、オセアニアの計29か国・地域で4379(うち死亡例3カ国49)。(日本は感染確認4)(注目のスペイン93、英国39)
- 5月11日 - キューバが感染確認事例を発表(同国初)。同国の大学で学ぶメキシコ人男性[84]。
- 5月12日
- 5月17日
- 午後7時過ぎに、新たに神戸市内の高校生と保護者の計12人の感染を確認した。この時点で日本国内感染者は計40人。WHOの幹部は、日本国内での感染に対して「注視」していると話した(渡航歴なしの高校生に対して感染が流行している点)。また、フェーズの引き上げ基準は北米以外での二次感染が正式に確認された場合としており、日本次第によってはフェーズの引き上げも検討していると話した。
- 5月18日 - 厚労省は同日未明、大阪府と兵庫県に全中学・高等学校の臨時休校を要請[87]。
- 5月27日 - 新たに4カ国で感染を確認(シンガポール[88]・ドミニカ共和国[89]・ウルグアイ[89]・ルーマニア[90])。
6月
- 6月12日0時(UTC) - 世界保健機関がフェーズ6への引き上げを宣言[91][92]。
- 6月14日 - スコットランド(イギリスを構成する国の1つ)で、アメリカ大陸以外で初の死者[93]。
- 6月20日 - アルジェリアが初の感染確認を発表(アメリカから帰国した女性)[94]。
- 6月29日 - 世界保健機構(WHO)と医薬品メーカーのロシュは、デンマークで初のタミフル耐性の新型インフルエンザ検体を確認したと発表[95]。
7月
- 7月15日 - 山形県が初の感染確認を発表(14日にタイから帰国した20歳代女性会社員)[96]。
- これにより、日本の全都道府県で感染を確認。7月15日午前6時時点での感染者数は3122人。
- 7月18日 - グルジアで初の感染確認(英国から帰国した男性)。[97]
- 7月19日 - ECDCによると世界で779人の死者が発生したと報じられた[98]。
- 7月21日 - アルバニアで初の感染確認(1人のアルバニア人学生と3人のフィリピン人船員)。[99]
- 7月22日 - ハンガリーで初の死者(41歳の男性)。[100]
8月
- 8月3日 - インドで初の死者(14歳の女子学生)。[101]
- 8月3日以降 - 奈良県を中心に開催の高校総体で、出場選手の間で感染が広がり、途中棄権・出場辞退する事例が相次ぐ[102][103][104]。
- 8月7日 - パレスチナで初の死者(34歳の男性)[105]。
- 8月11日
- 8月15日
- 8月19日
- 8月27日
- FAOとチリ政府の発表によると、2つの農場でヒト型(新型)インフルエンザH1N1に感染した七面鳥が発見された:これはヒトと豚以外で初めて新型インフルエンザが発見された例である。
- より重要なことは「ヒト→鳥」の直接感染が初めて確認されたことである[112]。
- 遺伝子検査結果によると、世界中に配布されている(ヒトの)新型インフルエンザの参照見本(A/California/4/2009)と、8つの部位(HA、NAなど)すべてで99.5%以上一致した。幸いなことにチリでは鳥インフルエンザH5N1が存在しないので交雑(遺伝子が組み合わさること)は起こらなかったが、H1H1とH5N1が組み合わさった場合の脅威について、FAO,OIE,WHOは重大な懸念を表明している。[113]
- 今回「種の壁」(「伝染病は他の種に伝染するのが極めて困難である」という経験則。例えばコメの病気は人間にうつらない。しかし狂牛病などを通して見直しを迫られている。新しい型のインフルエンザが鳥や豚に由来するという考え方が主流になってから約10年である)は存在しなかった。
- FAOとチリ政府の発表によると、2つの農場でヒト型(新型)インフルエンザH1N1に感染した七面鳥が発見された:これはヒトと豚以外で初めて新型インフルエンザが発見された例である。
- 8月29日
9月
10月
2009年10月24日、オバマ米大統領が新型インフルエンザを深刻な自然災害などに準ずる国家非常事態に指定する宣言に署名した。米国では新型インフルによる死者が23日に1000人を突破し、ワクチンの調達確保など対策強化が必要な状況になっている[40]。
専門家によると、日本の対策には問題がいくつかある。(主として、「カンブリア宮殿」「クローズアップ現代」などによる)
- 学級閉鎖、学校閉鎖基準が変化し、対応できない。
- 厚労省が情報提供してくれるが、量が多く未整理のうえ、何回も改訂された。
- 輸入ワクチンがMDCK細胞由来の細胞培養で、十分試験が済んでいない。
- ワクチンの絶対量が少ない。(予定量が確保できないし、医療従事者にゆきわたっていない)
- 病院によっては発熱外来を設けているが、待合室や特に薬局での物理的・時間的分離がなされていない。
- 少ない医師数で発熱外来を設ける場合、通常医療が停滞している。
- 開業医は通常の2倍程度の患者を診ている。病院によっては3時間以上の受診待ちをしている。(10月11日には札幌市の休日診療所は8時間待ちだった。開業医の診察人数は連日100人を越えていた。10月12日に江戸川区の休日急病診療所は平年の5倍の268人、9月末の連休には世田谷区の休日診療所で連日300人を診察した。[114])
- 新型対策に追われ、季節性インフルエンザへの対応準備が不十分である。
11月
2009年11月6日、世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザによる日本の入院率・死亡率が主要国で最も低いことを明らかにした。北半球と南半球のそれぞれ5カ国、計10カ国を調査したところ、人口10万人当たりの入院患者数は、日本が最も低い2.9人。アメリカは3人、ブラジルは8.8人、オーストラリアは22.5人。最も高いのはアルゼンチンの24.5人だった。人口100万人当たりの死亡者でも日本が最も低い0.2人。イギリスは2.2人、アメリカは3.3人、ブラジルは7.0人、オーストラリアは8.6人。最も高いのはアルゼンチンで14.6人だった。日本の新型インフルエンザ死亡率が低いことについて専門家は、日本では医療保険制度が整備されており、少ない家計負担で医療機関を受診できるため、発熱者の医療機関受診率が高いことが要因であると分析している。[115]
2010年
3月
6月
8月
動物への感染
2009年11月末現在、遺伝子解析により以下の動物への感染が確認されている。
呼称
2009年の確認当初は、豚インフルエンザに最も近いとする分析[120]や、メキシコにおいて豚からヒトに伝わった可能性が高いとする見方[121]もあって、WHO[122]や米国CDC[121]を初めとする公的機関の発表、英語[123]や日本語[124]などによる報道では、呼称として「豚インフルエンザ」が用いられた。
ところがこの呼称が、ウイルスが豚肉を介して感染するとの誤解を招き、豚製品の敬遠など、養豚関連産業への影響が出始めたこともあり、呼称から「豚」を外す動きが起きた[121]。また、宗教上の理由で、「豚」という言葉を忌避する向きもあった。なお、世界の公的機関や報道機関、言語や地域によっては、「豚」を継続使用している場合や、もともと使用していない場合もありうる。
WHO
WHOは2009年4月30日、"swine" (豚)を冠する英語呼称を、ウイルス型による呼称"influenza A(H1N1)"に切り替えた[122]。農業や食品業界に配慮したものと言われる[125]。同様にフランス語呼称は"Grippe A(H1N1)"[126]に、中国語呼称も「猪流感」[127]から「甲型H1N1流感」[128]に切り替わっている。
この切り替え前、WHOは"swine Influenza A/H1N1"(4月24日[129]、26日[130]、28日[131])、"swine influenza A(H1N1)"(27日[132])といった英語呼称を用いた(文脈によりウイルスを指す場合あり)。
なお、報道によると、WHO には「混乱を招く」として呼称切り替えに消極的な向きもあったとされ[121]また、OIE(国際獣疫事務局)は当初から発生地(北米)にちなむ呼称を提唱したとされる[121]。WHOが英語呼称を切り替えた4月30日には、両機関とFAO(国連食料農業機関)を合わせた三機関が、豚肉の安全性に関する共同声明を出している