開けて悔しき玉手箱のブログ

浮世の世間で ある日 玉手箱を 開けてしまった........。 気づくと そこは......。

活動形態の歴史 名誉毀損防止同盟の資料によると、ローンウルフというテロリズムの形態そのものは、1990年代に白人至上主義者のアレックス・カーティスとトム・メッツガー(英語版)によって提唱されたものとされており、メッツガーは秘密結社(地下組織)としての活動と対称的な存在として、「匿名の単独または少人数グループが、日常的に政府または特定の標的に対して攻撃する」という活動形態を提唱した[7]。

ローンウルフ (テロ)  

 

ローンウルフ英語lone wolf、日本語: 一匹オオカミ)は、テロ組織に属さない個人が、単独でテロ行為に及ぶことを表す用語である[1][2]。近年の日本ではローンオフェンダーが使われるようになってきた[3][4]

 

概要 

組織的なテロリズムと対比される表現、分類法(比喩法)であり[5]インターネット上の情報などを通じて過激派思想に染まり、単独や少人数で事件を起こすテロリストを指す[6]。もともと特にアメリカのマスコミがこの分類法を多用する傾向があるが、その影響を受けて日本のマスコミや当局もこの分類法(比喩法)を使うようになった。ローンウルフは組織に属さない個人が武器を密造し、水面下で犯行を計画することから、各国の情報機関も予兆を把握できず治安上の脅威となっている[6]

 

歴史 

活動形態の歴史

名誉毀損防止同盟の資料によると、ローンウルフというテロリズムの形態そのものは、1990年代白人至上主義者のアレックス・カーティスとトム・メッツガー英語版によって提唱されたものとされており、メッツガーは秘密結社(地下組織)としての活動と対称的な存在として、「匿名の単独または少人数グループが、日常的に政府または特定の標的に対して攻撃する」という活動形態を提唱した[7]

分類用語としての使用の始まり

犯罪における犯人の行動類型としては、1970年代から1990年代にかけて世捨て人のような生活を送りながら数々の爆発物送付事件を単独で引き起こしたセオドア・カジンスキーユナボマー)の事例が知られており、連邦捜査局 (FBI) はカジンスキーの逮捕後に犯罪類型に「ローンウルフ型」を新たに加えた。

現在では、カジンスキーのほか、ティモシー・マクベイおよび共犯者のテリー・ニコルズ英語版による犯行グループが引き起こしたオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件が、古典的なローンウルフ型の重大犯罪として言及されることが多い。

 

具体的な事件例 

  • 2009年 フォートフッド銃乱射事件英語版[8]
  • 2011年 ツーソン銃撃事件[8]
  • 2016年 台湾の列車爆破事件[11]
 

発生の防止法 

「日本のローンウルフは海外と違った傾向があり、対策が難しい」(警察関係者)。国際的な過激派組織や日本国内の極左、右翼などは組織的背景や主張が明確で、動向も想定できるとされる。だが、宗教や人種をめぐる激しい対立がない日本では「ローンウルフの行動原理も絞り込みにくくなる」(警察関係者)ためである[14]

国末憲人の主張

国末憲人の主張によると、多くの単独行動テロリストがイデオロギー的に過激化してテロを計画準備するまで、むしろ周囲との社会的な関係が大きな作用を果たしている、という。テロ対策のいくつかの鍵もここにある、と国末憲人は主張した。一つは、ホームグロウン・テロリストやリクルーター、筋金入りの過激派といった欧州の一団と、中東に本拠地を置く一団とのつながりを出入国管理や情報を管理することによって断ち切ることであり、もう一つは、アルカイダイスラム国の活動そのものを封じ込めることにほかならない、と国末憲人は主張した[15]

 

 

ローンウルフとの線引きが難しい例、ローンウルフと呼ぶことへの疑義など

「社会的に孤立したローンウルフによる事件」と報道されても、実際は過激派のコミュニティの一員であり、自分が運動に参加していると認識していた犯人は少なくない[16]

ライデン大学のバート・スクールマン講師ら研究者7名は2017年に、実行犯に誰も指示しなかったテロであっても、基本的には事件時に実行犯が少数行動をしただけであって、精神的・物理的な過程において、他者との直接または間接的な関係が重要になっていると指摘した。

また日本の無差別殺傷事件の類比として、アメリカで頻発・問題視されている銃犯罪が挙げられることがあるが、それらの事件にはテロ事件であるものとそうでないものが存在する。

近年では、2016年のオーランド銃乱射事件イスラム過激派によるテロ、エルパソ銃乱射事件 (2019年)白人至上主義の右翼過激派によるテロであるとされている。故にその過程で情報が洩れて、テロを未然に摘発することが可能になるのだが、これらの事件を「ローンウルフ(型)」とする言説は、これらの可能性を否定し、テロ対策を妨げるので、作られるべきではなかったと主張している[16]

なお日本では、関与者が1人の大量殺人事件のことを「ローンウルフ・テロ」という呼び方をしてしまう人がいるが、孤独や自暴自棄に陥った単独犯が無差別殺傷事件を起こすことが定説となっており、むしろテロでない重大事件が多く起きていることが日本の特徴であると六辻彰二は指摘している[17]

 

出典 

  1. ^ “岸田総理襲撃犯”も該当か…1人でテロ行為に及ぶ『ローンオフェンダー』発見が困難な単独犯の脅威と対策 | 東海テレビNEWS
  2. a b 容疑者はローンオフェンダーか、県警「事前に危険性把握せず」 首相演説会場爆発」『産経新聞』(産業経済新聞社)、2023年4月15日。2023年4月15日閲覧。
  3. a b 安倍元総理銃撃事件捜査終結 警察庁長官が「単独犯=ローン・オフェンダー」対策強化を強調 | TBS NEWS DIG
  4. ^ 【報ステ解説】「安倍氏銃撃を模倣か」被疑者を“ヒーロー視”?容疑者の人物像」『』(テレビ朝日)、2023年4月17日。2023年4月18日閲覧。
  5. ^ 国際テロ情勢
  6. a b 【安倍元首相銃撃】 Y容疑者は「完全にノーマーク」、ローンウルフは黙々と凶器を作り続けた 読売新聞 2022年7月31日閲覧。
  7. ^ Tom Metzger and White Aryan Resistance (WAR) – Extremism in America”. Adl.org. 2012年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ2012年12月10日閲覧。
  8. a b c Mark Hamm and Ramon Spaaj(2015, Lone Wolf Terrorism in America.
  9. ^ Lone wolf terrorism in Norway
  10. ^ Scott Stewart(2011), Norway: Lessons from a Successful Lone Wolf Attacker.
  11. a b POLICE CHIEF, Prevention, Response, and Investigation of Lone Wolf Incidents: An International Perspective of Two Cases
  12. ^ 〇〇〇〇容疑者と世間を震撼させた「迎賓館ロケット事件」 ローンウルフ対策を考える(抜粋) | デイリー新潮
  13. ^ 【盲点突いた犯行】安倍元総理襲撃後に対策強化も…“ローンオフェンダー”どう対応?」『テレ朝ニュース』(テレビ朝日)、2023年4月15日。2023年4月15日閲覧。
  14. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2016年1月10日). “【テロ対策最前線】理由もなくある日突然爆弾を炸裂させる…ネットが醸成するローンウルフ型テロリストの恐怖(2/4ページ)”. 産経ニュース2023年4月18日閲覧。
  15. ^ 国末憲人(2019)『テロリストの誕生』pp.462-463
  16. a b ローンウルフ型テロはほとんどない 静岡県立大学グローバル地域センター
  17. ^ 六辻彰二『なぜ日本では「世の中への報復」がテロではなく通り魔を生むか』
 

関連項目