開けて悔しき玉手箱のブログ

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社会的スティグマ 

社会的スティグマ  

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

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社会的スティグマとは、一般と異なるとされる事から差別や偏見の対象として使われる属性、及びにそれに伴う負のイメージの事を指す。社会的スティグマは特定の文化人種ジェンダー知能健康障害社会階級、また生活様式などと関連する事が多い。

概説 

スティグマの語源はギリシア語奴隷犯罪者反逆者などにつけられる烙印の事を指す。烙印を押された人が反道徳的であったり、穢れているという事を明確にする事を目的として押され、烙印を押された人との交流は避けるべきだという社会規範が背景にはあった [1]

スティグマは必ずしも個人の属性を正確に捉えるわけではなく、誤った知識によりレッテルが張られることもある[2] 。例えば、アメリカにおいてイスラム恐怖症とそれに伴う差別の悪化により、他教徒であるシーク教スティグマ化され迫害されている[脚 1]スティグマ化された集団の印象はステレオタイプとして拡大解釈され、その集団に属する個人の性質に忠実かどうかに関わらず先入観を持って接せられる。研究によると、「殆どの子供は10歳になる頃には社会に存在する文化的ステレオタイプを認識し、その中でもスティグマ化された文化に属す子供は更に幼い年齢からその影響を認識している」と報告された [3]

スティグマを科されたことにより個人の行動態度、また感情思想にも影響が出る事が報告されている[4] 。研究によると、スティグマを科された人は、社会がそのスティグマから期待するような行動や態度に自ら合わせる傾向があるという[5]スティグマ偏見や差別に引き起こす事から、躁鬱などの精神障害の原因となり得ることも報告されている[5] 。また、自尊心を低下させるなど、スティグマは個人のアイデンティティに大きく影響をもたらす。差別や偏見に対する恐れから、スティグマ化された自身のアイデンティティを隠したり、消そうとする事により差別が内面化される事もある。このようなスティグマアイデンティティの関連性は社会学ラベリング理論と関連して広く研究されている。

社会的スティグマの事例 

HIV陽性者・AIDS発症者に対するスティグマ 

HIV陽性者やAIDS発症者は社会的スティグマによって、様々な形の差別や偏見、暴力に晒されている[6]。現在では早期に抗レトロウイルス薬治療を受ける事により、感染者は非感染者とほぼ同じ平均寿命を持つと言われている[脚 2]。また治療によりウィルス量が検出限界以下になればコンドームを使わない性交でも感染はしないとされている[脚 3]。この様なAIDS治療の進歩の反面、HIV/AIDSスティグマによる差別や社会的な排除は根強く続いている[6]。2017年には日本の病院が不当にHIV感染者の採用内定取消を行った事例もある。この様にスティグマ化される事を恐れてHIV検査を受けなかったり、抗ウィルス治療を受けないケースもあり、スティグマによるAIDSの深刻化やさらなる感染の拡大も指摘されている[7]

また、HIVの主な感染経路は異性間性交渉であるのだが[8]、今でも一部ではHIV/AIDSを同性愛や特定の生活様式と関連して認識される事がある。その事からHIV/AIDSに伴うスティグマは、実状に関わらず、同性愛静注薬物使用者に対するスティグマが複層して科される事がある[9] 。

HIV/AIDSに伴う社会的なスティグマを解消するための取り組みとして、世界エイズデーなどがある。

2020年から起こった新型コロナウイルスの流行に対するスティグマ 

2020年から起こった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行では、その感染初期、まだ中国武漢や日本でのダイヤモンドプリンセス号に留まっていた時期、ヨーロッパアメリカではアジアからの旅行者に対する拒否反応があらわれ、それは旅行者に留まらず、アジア系住民に対してまで広まった。

日本で市中感染が広まると、教員に感染が判明した学校の生徒たちが嫌がらせを受けるようになった[10]

新型コロナウイルス感染症の患者と対応している医療機関や医療従事者がその対象となった。さらにはその家族や子供が、自宅周辺や、学校から、患者扱いされる事態が起きた[10]

原注 

  1. ^ Goffman, Erving (2009). Stigma: Notes on the Management of Spoiled Identity. New York: Simon and Schuster. p. 1ISBN 978-0-671-62244-2
  2. ^ “Epilepsy and Social Identity: the Stigma of a Chronic Neurological Disorder”, Lancet Neurology4 (3): 171–8, (2005), doi:10.1016/s1474-4422(05)70020-xPMID 15721827
  3. ^ Brenda Major; Laurie T. O'Brien (2005). “The Social Psychology of Stigma”Annual Review of Psychology 56 (1): 393–421. doi:10.1146/annurev.psych.56.091103.070137PMID 15709941.
  4. ^ Brenda Major; Laurie T. O'Brien (2005). “The Social Psychology of Stigma”Annual Review of Psychology 56 (1): 393–421. doi:10.1146/annurev.psych.56.091103.070137PMID 15709941.
  5. a b Cox, William T. L.; Abramson, Lyn Y.; Devine, Patricia G.; Hollon, Steven D. (2012). “Stereotypes, Prejudice, and Depression: The Integrated Perspective”. Perspectives on Psychological Science 7 (5): 427–49. doi:10.1177/1745691612455204PMID 26168502.
  6. a b “The impact of AIDS on people and societies”2006 Report on the global AIDS epidemicUNAIDS. (2006). ISBN 978-92-9173-479-5
  7. ^ Common at its core: HIV-related stigma across contexts”. International Center for Research on Women (2005年). 2007年2月15日閲覧。
  8. ^ “The evolving epidemiology of HIV/AIDS”. AIDS26 (10): 1205–13. (June 2012). doi:10.1097/QAD.0b013e328354622aPMID 22706007.
  9. ^ “HIV-related stigma and knowledge in the United States: prevalence and trends, 1991–1999”American Journal of Public Health 92 (3): 371–77. (March 2002). doi:10.2105/AJPH.92.3.371PMC1447082PMID 11867313.
  10. a b 教員が感染した大学の付属高生徒に「コロナ」 言われなき差別、偏見 ヨミドクター/読売新聞 (2020年4月1日)

脚注 

  1. ^ “認知度の低さに悩む米国のシーク教徒”AFPBB News. (2015年2月25日) 2020年3月7日閲覧。
  2. ^ “HIV感染者の平均余命、今では一般とほぼ変わらず=英研究”BBC news Japan (BBCワールドジャパン). (2017年5月11日) 2017年5月11日閲覧。
  3. ^ Undetectable=Untransmittable(検出限界以下なら感染しない) (Report). UNAIDS. (2018) 2020年3月7日閲覧。.

関連項目 

外部リンク